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2013年1月20日 (日)

RaspberryPi (Debian) にSAMBA4をインストールする(ActiveDirectoryのDCを構築する)


Samba4.1.16 をRaspberryPi2にインストールした記事はこちらです

RaspberryPi on Debian にSAMBA4をインストールする(ActiveDirectoryのDCを構築する)

RaspberryPiを折角購入したのですから活用していきたいと思います。RaspberryPiの本来の目的は

教育・学習の為に作られたもの。しかし、Linux(Debian)が利用できて、非常に低消費電力のPCと

みる事もできます。

私としては非常に省電力性質を活かして、自宅にあっても電気代の気にならない常時起動サーバと

して活用していきたいと思います。(ついでに非常に静かです)

まぁ、正直言うとLinuxの勉強の動機付けになるし、安いから買ってみた。活用方法は後付けです!


・RaspberryPi に期待する事

  ドメインコントローラー

    … 仮想も含めて一括管理したいと考えています。IPアドレスとか覚えるのが面倒で…

  ファイル共有サーバ

    … 我が家のNASは使用する時だけ電源を投入する運用になってます(電気代+騒音の為)

      ちょっとしたファイルを共有するのに使いたいです

  Subversion

    … ソースコード用ではではなく、ちょっとしたファイル(このブログの下書き等)の管理

共有系の作業が多いですが、WindowsとLinuxの両方を使っていると相互のやり取りが面倒です。

もうこの手の作業はクラウドにお任せすると言うのが、正しいのかもしれませんがここはひとつ

学習も兼ねてやってみる事にします。

今回の内容はx86のDebianでも同じ作業になると思います。


・インストール方針

packageがあれば有難いのですが…残念な事にRaspberryPi用のSAMBA4のPackageはありませんでした。

仕方がないので、ビルドしてインストールする事になります。まぁ、Linuxらしいと言えばLinuxらしいでしょう。

基本的には以下のリンク先に従って作業をします。

Samba AD DC HOWTO


・Debianのアップデート

まず、RaspberryPiを最新にします。お馴染みの以下のコマンドを実行します。

x86だとあっという間に終わるこの処理もRaspberryPiだとのんびりです。


・ビルドに必要なライブラリのインストール

以下のライブラリを導入しました。


・SAMBA4ソースの取得

ここからSAMBA4のソースを取得しました。

バージョンは取得時点で適宜変えてください。


・SAMBA4ソースの展開

取得したソースを展開します。


・SAMBA4のビルド

configure と makeをします。Samba AD DC HOWTOに従ったオプションを使用しています。

makeには4時間半程掛かりました。事前にx86のVMでやった時は10分ちょっとだったので

(RaspberryPi視点で見ると悪い意味で)圧倒的な性能差です。本気で開発に使うならばクロスコンパイル環境が欲しくなりますね。

topコマンドで眺めていた限りです、CPUが100%に張り付くシーンも多々あったのでOCすると

それなりの効果はあるのではないかと思います。(私の環境では今のところ不安定過ぎて出来ていません)


・SAMBA4のインストール

以下のコマンドを実行するだけです。

これまた時間がかかるので、のんびりと待ちます。

55分程かかってやっと終わりました。


・SAMBA4のセットアップ

SAMBA4の準備(Provisioning)をします。ドメインを構築する際に使われる、

ユーザーデータベースの初期設定を行います。今回はPDCを構築してみます。

単独のDCを立ち上げる場合はドメイン名以外はデフォルト値で良いでしょう。

以下のコマンドを実行すると、セットアップが始まります。

こんな処理一つとってもCPUの使用率が99%に張り付いてしまうのはもうご愛嬌。

質問箇所は"★"がある、4か所ですが実際に入力するのは先頭の"Realm"だけで

後はデフォルト値で大丈夫です。

実行後に以下の様なエラーが出た場合はパスワードが簡単すぎて怒られています。

大文字・小文字・数字を織り混ぜたパスワードを指定して下さい。


・resolv.confの設定

resolv.confの設定を行います。名前解決に自身のDNSを使用するように変更します。

外部のDNSも指定しておかないと、外が見えなくなってしまいます。


・interfacesの設定

続いてIPアドレスの設定を変更します。

ここで重要なのはIPアドレスを静的にする事とnetworkを設定する事です。

私は以下の様に設定しました。


・SAMBA4をテスト起動する

以下のコマンドを実行します

topを実行して眺めていましたが、10〜20秒ぐらいは派手にCPUを消費していますが

すぐに収まると思います。

ついでにバージョンも確認します。以下のコマンドを実行するとバージョンが表示されます。

ちゃんとSAMBA4が起動している事が確認されました。


・SAMBA4がActiveDirectoryのドメインコントローラーとして動作している事の確認

以下のコマンドを実行します。大体以下と同じような内容が返ってくれば大丈夫でしょう。

認証の確認をします

以下の様なエラーメッセージーがでる場合は/etc/network/interfacesが

悪さをしているかもしれません。(多分 network の設定で解決されます)


・SAMBA4の起動スクリプトを用意する

この状態でSAMBA4は起動するはずですが、このままではRaspberryPiの起動時に自動的にSAMBA4が

立ち上がりません。起動用のスクリプトを用意します。用意すると言ってもDebian用のInitScriptが

配布されていますのでダウンロードして配置するだけです。

InitScriptのダウンロード

続いてインストールPathの変更をします。

インストールしている場所を確認して、必要に応じて実行して下さい。

chmodしてからスタートアップ時に起動する様に設定します。

これでセットアップは完了です。ここで一度再起動してみます。

起動後にSAMBA4も自動的に立ち上がっているはずです。


・SAMBA4 DNSの動作確認

もう少し確認作業を行います。次はDNSです。

以下のコマンドを実行します。

以下の様な答えが帰ってくればokだと思います。


・Kerberosの設定

まず、krb5.confファイルをコピーします。

続いて以下の様に修正します。この際に、ドメイン名を大文字で記述して下さい。

以下のコマンドを実行して下さい。パスワードはADを構築した際のものを入力して下さい。

以下の様になる筈です。passwordの有効期限等が表示されます。

これで、ADの構築は完了です! 続いてWindowsクライアントをドメインに参加させて見ます。

この時点で一応バックアップをとっておこう。。。(関連:RaspberryPiのバックアップを取得する)


RaspberryPiにはClass10のSDカードはあまり相性が良くないみたいです。

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